「ただいま帰ったぞ、おい」

「圭さん、お疲れ様です。…、その子は?」

家に入ると直樹(なおき)がすぐ出てくる

「姉貴はどこにいる」

「美咲さんは、二階に…」

「そうか、わかった」

美咲(みさき)と言うのは俺の姉貴だ

二階に上がり、姉貴のいる部屋のドアをノックする

「入るぞ。姉貴、頼みがあってな」

「あ、圭おかえり。なに?」

こっちに向かってくると、俺が抱えている女の子に気づいて、

「圭、その子どうしたのよ。すごく可愛いじゃない!!」

「こいつを面倒を見ようと思ってるんだ、手伝ってくれないか」

「いいわよ?お嬢ちゃん、名前は??何歳なの??」

「名前は葵だそうだ」

「そう。ねぇ、圭。この子もしかして」

「多分、そうだと思う。風呂に入れてから病院に見せに行こうと思ってる」

俺たちがさっきから言ってることは、葵がDVをされていたんじゃないかってこと
相手は多分、さっきの父親


「葵ちゃーん、こっちにおいで?一緒にお風呂行こうか!」

「……」

葵は黙って俺の顔を見てる
多分、初めてあった姉貴を少し警戒してるんだろうな

「大丈夫だよ、俺の姉貴だから。ほら、いっておいで??」

少しだけ警戒が和らいだのか、姉貴にテクテクと着いていく
こうやってみると普通に可愛い女の子なのにな、なんであんな…
しかし、俺だって初対面なのにな、と俺の言葉を信じる葵にどこか面白さを覚えた