どうやったら信じてもらえるかな〜とぼやく彼の横顔は俳優としてトップを走ってるだけあってさっき感じた少年のような無邪気な笑顔とは違って大人の凛々しい男性に見えてドキッとする。
「ひぇーっ!!」
しっと口に軽く手を当てられるが、ちょっちょっと今…おでこにキスされた……?
「だから、付き合ってくれるよな?」
恐れ多いったらありゃしない。
けど…
「う、うん…」
気付いたら戸惑いながらもきちんと返事をしている自分。
相変わらずちゃっかりしてる。
まさか、でも……中内春樹の彼女になれるなんて。
「1つだけ聞いていい?」
「いいよ。1つな」
あたしの真剣な顔がおかしかったのか彼はふふっと微笑を浮かべた。
この余裕感。
どっしりと構えてる感じ。
同い年とはいえ、彼の方が先に社会に出ていて、芸能界という不可思議な世界の先端で輝いている。
親のすねをまだまだかじりまくってるあたしとはやっぱり全然違う。
