「でも」
毬は口ごもる。
屋敷にあがった二人は、いつもの庭の傍の縁側へと腰を下ろしていた。
「どうかした?」
「雅之のこと、怒らせちゃった」
毬は拗ねた子供のように唇を尖らせる。
ふわりと、龍星は毬の髪を撫でた。
「雅之とは親友なんだろう?
少々の喧嘩、すぐ仲直り出来るのが親友ってものだよ」
「そうなの?」
「雅之に聞いて見るといい」
「もう来るの?」
と、毬が首を傾げたのと、
「雅之殿が来られました」
と、華がやってきたのはほぼ同時だった。
毬は反射的に龍星の背中に隠れてしまう。
「こんばんは」
果たして、雅之は龍星の予測通り、酒瓶を持っていた。
「やあ、雅之。
うちの姫は急に人見知りになったようだ」
龍星がしれっと言う。
「雅之、怒ってる?」
毬は怯えたウサギのように、ピョコンと目だけ出して問う。
雅之は人好きのする笑顔を浮かべた。
「いや。そんなに長いこと怒り続けるたちじゃない」
毬は口ごもる。
屋敷にあがった二人は、いつもの庭の傍の縁側へと腰を下ろしていた。
「どうかした?」
「雅之のこと、怒らせちゃった」
毬は拗ねた子供のように唇を尖らせる。
ふわりと、龍星は毬の髪を撫でた。
「雅之とは親友なんだろう?
少々の喧嘩、すぐ仲直り出来るのが親友ってものだよ」
「そうなの?」
「雅之に聞いて見るといい」
「もう来るの?」
と、毬が首を傾げたのと、
「雅之殿が来られました」
と、華がやってきたのはほぼ同時だった。
毬は反射的に龍星の背中に隠れてしまう。
「こんばんは」
果たして、雅之は龍星の予測通り、酒瓶を持っていた。
「やあ、雅之。
うちの姫は急に人見知りになったようだ」
龍星がしれっと言う。
「雅之、怒ってる?」
毬は怯えたウサギのように、ピョコンと目だけ出して問う。
雅之は人好きのする笑顔を浮かべた。
「いや。そんなに長いこと怒り続けるたちじゃない」


