『いやね…。先方はアリアちゃんの事、ご存知でね……』

『えっ??』

『ビル内で見かけた事があるらしくてね!しかも、スポンサーさんでもあるんだよ!』


社長は私が一瞬怯んだのを見逃さなかったー!!一気に畳み込んできたっ!


『はい…。それで食事にと?』

『そ、そうなの!行ってくれるわよね??』


あー、もう!そんなに言われたら断れないじゃない…。仕方ない……。


『一度だけなら…。』

『ホントにぃ~!?よかったぁーー!!今日仕事が終わったら事務所に戻って来るでしょ?その時に詳しく説明するから!!じゃぁ、このあとも頑張ってねーー!』

『えっ!?あっ!』


切れた…。私が怯んだ瞬間、この事は決定してしまった…。負けた…。あ~ん…。知らない人と食事なんて……
どうしたらいいの?しかも、スポンサーさんなんて…。
私のせいで、契約打ち切られたりしたら……
私は切れてしまった携帯を眺めながら、これから起こるかもしれないことをぐるぐると考えていた…。


「あ!アリア!!ここにいたんだ。探したよ!」

「カーイールー!!あーどうしよう!!」

「え?泣くなよっ!どうした?」


私はカイルにしがみつきながら、さっき社長から言われた事を話した。