カイルが学生の時からお世話になっている所属事務所。私も自然と出入りするようになった。やはり、この容姿のせいか何社かスカウトされたこともある。でも、私は人前に出るのが得意ではない。


私は自分の良さがいまいち分からない。美人だ。綺麗だ。と言われても、何が基準なのか…。こんな性格だし…。明るいのが取り柄なぐらいだ。


しかし、なかなか引いてくれない強引な事務所もあり、結構困っていた。特別、何か酷いことをされたわけではないが、男性と二人きりというのが……どうもダメなのだ。



この会社に入ってからも、カイルと同じ表舞台に立つ側をと何度か打診された。


でもそのたびにカイルが守ってくれた。でもそれではいけないと自分の言葉できちんと話をし、分かってもらえた。その時にいろいろあったことを話したから、私は会社では、結構な男性嫌いということになっている。


まぁ、別にいいんだけどね!


なのに……なのにだ!!社長!!どういうことなのだ!


『えっ!?二人でですか?』

『いや、二人きりとは言われてないから、誰か一緒に行ってもいいだろうけどね……』


何か、まだ隠してそう……

あ~!もう!!はっきりしてほしい!


そろそろ私のイライラが分かったのか社長は観念した様に告げた。