「仁さん‼会いたかった‼」


かれんはそう言って腕に抱きついてくる。
それをいろいろ言う気にもなれず、そのままにしていたのがダメだった…。このビルにはアリアも出入りするというのに。


見事にこの瞬間を見られてしまった…。


アリアは男に言い寄られていた。……振り返った人物を見て固まった……

護……


護とアリア……まさか、唯一の友人と思える人と、アリアが一緒に…。しかも、今から食事に行くようだ。


そうだな…。私もアリアの事を攻められない…。
アリア以外の人に腕を組まれているのだから…。


「仁さん?」

「あっ、はい…。では、どうぞ……」


私はこんなにもアリアに恋をしていたのかと二人の後姿を見ながら切なくなっていた……


とりあえず、かれんには分かってもらうしかない。
私たちを見て、アリアも誤解しているだろうし……