side 仁


カイルくんから、今はアリアをそっとしておいてほしいと言われて、気になりながらも自分では何も出来ることもなく、アリアと出会う前の様に淡々とした日々を送っていた。


そんなとき、また厄介な電話がかかってきた。
幼い頃からの知り合い、桜田 かれん…。


「仁さん!私、お祖父様に頼んで、仁さんとお見合い出来るようにしてもらいましたの!仁さんが振り向いてくれないから」


いや…。見合いしても、しなくても、私はアリア意外どうでもいい……


「私が仁さんの家に伺っても、仁さん、いつも家で一緒に過ごしてくれないですもの……」

「当たり前じゃありませんか!私はあなたの事はずっとお断りしているのに」

「私は仁さんじゃなきゃ嫌ですわ!今、ビルまで来てますの!」

「え!?」


かれんに何を言っても伝わらない……


「エントランスでお待ちしてますわ。迎えに来てください」


もう、電話で言い合うのも疲れてきた私は、直接話した方がいいと思い迎えに出た。