初めての甘い恋人

「永本さん。少しアリアさん、お借りしてよろしいですか?」


ウチの社長に向けて極上の王子様スマイルだ。


「あっ!はい!どうぞ、どうぞ!」


ちゃっ!何だか売られた気分である…。


私は護さんに手を引かれ、スタジオから少し離れた休憩室に入った。


「やっぱり、会えた!」

護さんは極上スマイルで私を見ている。

「キミとコンビニでわかれたあと、何となくだけど、また会える様な予感がしてね」


あ~……それで…。何だが私には軽く見えてしまって…。
そんな事どうでもいい。

ウィンクのせいか? 誰にでも振り撒く王子様スマイルのせいか…?

胡散臭い。


「え?反応悪いな」

「あっ…。いえ」


早くスタジオ戻って、キラキラしたカイルを見て、心あらわれたい……。