初めての甘い恋人

「キミ、大丈夫?」

「あっ…。すみません。ありがとうございました」

「いや……ほっておけなかっただけだから」


うわっ……正面から見ても綺麗な人…。男性に綺麗って、失礼か……


「帰るなら、送って行こうか?」

「え?いえっ!大丈夫です!」

「また、今さっきみたいな奴がいるかもしれない。……こっちに車待たせてあるから、おいで」


そう言って私の荷物をとり、前を歩きだす…。


えっ……人質ならぬ、物質(ものじち)……


とりあえず、何も考えずについていく…。


黒色の外車…。運転手が車の前で待っている…。


なっ、何者!?


運転手が頭をさげながら無言でドアを開けてくれる。

それを見て、助けてくれた人が言った。


「はい。どうぞ」

ここまでついて来て断るのも面倒だし、荷物は運転手の手に渡ってしまったし…。


「しっ、失礼します」


結果、私はオズオズと車に乗り込んだ。