祖父の屋敷を出て、自分の家に帰ろうと車に乗った時携帯がなる。秘書のようだ。


『もしもし』

『社長。お休みのところ申し訳ありません。』

『いや、大丈夫ですよ。どうしました？』

『社長。落とされた社章、見つかりました。家におられるなら今から伺いますが？』

『いや、今会長のところだから明日の朝で大丈夫ですよ。』

『かしこまりました。』



そうして、次の朝、社章と拾ってくれた人の事を聞き、それがアリアで、しかも、このビルで働いている事がわかった。


まさか、ここにオフィスを構えてる会社で働いてるとは…。


これは、運命かと思った…。アリアを見かけてから、ずっとあの笑顔を私に向けてほしいと思い続けて、まさか、私の物をあの恋い焦がれていた女性が拾ってくれていたなんて…。


それからは、この機会を逃すまいと、友人の護に相談してなんとか食事に誘う事が出来た。


初めて対面したときはこれでもかと、胸が高鳴った。これが恋なのだと…。


アリアは想像していた女性以上の魅力的な人だった…。