藤堂さんの一つ一つの仕草が魅力的で、私はつい凝視していた。


ん?なんだろう…。藤堂さんが不自然に目を合わせずに…。あっ!顔が赤くなってきた…。
きゃーー!!可愛い……


「あ、アリアさん…。そんなに見つめられると…。心臓に悪いです…」


藤堂さんがワインを注いだグラスを手渡してくれる。私は無意識にそれを受け取った。


「すっ、すみませんっ!!ついっ!そんな藤堂さんも魅力的だなと思って…」


わぁーー…。つい、見とれてしまって…。言い訳がましくなってしまった!


「あのっ!アリアさん、仁と呼んでくれませんか?」

「……え?」

「藤堂さんと呼ばれるのはアリアさんとの距離を感じてしまうので……」

「あっ、そうですよね……」


いざ、呼ぶとなると恥ずかしいな……。でも、私も名前で呼ばれて嬉しいから、藤堂さんにも嬉しく感じてほしい…。


「あ…の…」


私は真っ赤になっているであろう顔を隠しもせず、きちんと藤堂さんと瞳を合わせて意を決した。


「じっ…仁。好きっ!!」


結局恥ずかしくなって、少し距離を開けて座っていた藤堂さん改め仁に飛び込む様に抱きついてしまった。