「はい!カーットっ!!」

「チェック入りまーす!お疲れ様でしたー!!」

「お疲れ様でした!」

私は彼に暖かいお茶を差し出す。

「カイルお疲れ様!今日はこれで終わり。後の時間はオフよ!」

「ありがとう。アリア」

彼、瀬尾 カイル。イタリア人のハーフで今をときめく人気俳優。185㎝と高い身長、すらっと長い手足はやはり日本人離れしている。

白い肌にグリーンがかったブルーの瞳。普通にしていても色気が駄々漏れだ…。そんなカイルは私の双子の弟。

私、瀬尾 アリア。カイルの姉でマネージャー。

誰が見てもカイルと兄弟ということが分かるような顔立ち。でも違うのは、性別と髪の色。カイルの髪は見た目で唯一、日本人らしいキレイな黒。

いいなぁ~!!私も黒髪、憧れる!日本の女性ならば、小柄な体に黒髪でしょうよ!私の髪はもう、白に近い金…。母親譲り。見た目は完全に外国人だ…。身長だって、憧れの小柄とは程遠い…。178㎝…。こんなに高すぎるとお洒落も出来ない…ヒールの高い靴を履こうものなら、女性は勿論、男性も見下ろしてしまう…。完全にコンプレックスだ…。

そして見た目とかけ離れた、この性格。よく、口を開かなかったらいいのにと言われる…。


「このあとオフだけどどうする?」

「アリアは?事務所戻る?」

「うん。戻るけど、一緒に帰る?」

「そうだな。今日は朝早かったし、帰ろっ」

「じゃ、車まわしてくるね!」

「おう!気を付けろよ!」

本当に姉思いの弟だ。