近くて遠い・・・

私は頭の中がぐちゃぐちゃだった。
佑斗の優しさに魅かれている。
でも私の彼氏は智哉なのに・・・
もうカレーライスを作ることに集中できなかった。
「あ~もぅ!!!」
私は思わず叫んでいた。
「莉那、にんじん切ってくれない?」
班長に頼まれたので包丁を持ち、にんじんを細かく切っていく。
「莉那!!その切り方じゃだめだよっ」
あ・・・。
なんだか色々な事を考えていて気付けば細かく切りすぎていた。
「ごめんっ!私って馬鹿だよね~」
「莉那ったらおっちょこちょいなんだから(笑)」
次はじゃがいもの皮をむいていく。
「痛ッ!!」
私は思わず自分の手を切ってしまった。