大阪行きのホームを探す。
大きな荷物を持つ人たちで溢れ返ってる駅に制服姿の女子高生は目立ったけど、そんなのどうでもよかった。
人の視線なんて気にしてられない。
エスカレーターを、人の合間を縫って駆け上がる。
辺りを見回しても彼はいない。
平日だとしてもけっこうな数の人がいるホームを私は走り回る。
綺麗な流線型をした列車がホームに滑り込んできて、更に焦る。
彼はもう行ってしまったんだろうか。
それとももしこの便だとして、彼が列車に乗り込んでしまったらもう終わりだ。
「お姉さん、邪魔なんだけど」
突然背後からした声に肩が跳ねる。
すみません、そう言いながら振り向いた。
その時だった。
「何してんの。」
「よう、へい」
そこには私が探していた人がいた。
大きなかばんを肩に下げていて、その様子に渇いたはずの涙が出そうになった。
しばらく無言で見つめ合う。
どうしたらいいか、分からない。
言いたいことはたくさんあるはずなのに、何から伝えたらいいのか分からない。
そんな状況を破ったのは洋平だった。
いきなり顔を腕で覆って、そっぽを向いてしまう。
「洋平?」


