「ったく、やってらんねっつーの。」
葉月は言い捨てると屋上を探しに校内を歩き回った。


「葉月さん?...」
「ん?...」

葉月は屋上で寝ていると上の方から声がした。

「おぉ、一子ちゃんか。授業終わった?」

「終わりましたよ。」

「そっか。じゃあ学校案内...」

「その前に...」

「どうかしたか?」

「葉月さんは何でここに来たんですか?」

「それって...」

「いや、別になんでもないです...」

「喧嘩して相手怪我させて退学になったんだわ。
くだらねーだろ。」

「そうだったんですね...」

「あー、なんでこんな不良がここに来たのかってことか?

「まぁ...」

「俺さ、意外と頭いんだわ。こう見えて。」

「...」

「まぁ、どうでもいい情報だったな。ごめんな、こんな
話して。」

「どうでもよくはないと思いますけど...」

「おまえ、ほんっとおもしれーな。」

「何でですか?」

「見た目、地味だけどこんな不良なやつに話しかけて
くるからさ。普通さ、こんな不良に話しかけようと
思わないっしょ。」

「でも、見た目がどんなに悪くても優しい人はいます」

「ふーん。俺さ、お前のこと好きかもしんねーわ。」

「え?...」