運命を知らない占い師


少女はうっとする。


「何というかだね、そのな、可能性の一つに過ぎないのだがな…そうだな…うん、可能性の一つとして聞いてくれ」


しどろもどろしながら少女は言う。


「私は、自分が関わる未来は見えないのだよ。例えば将来私が君を殺すとしたならば今の私には君が死ぬ時が見えないのだ。まぁ、最初から禁忌とされているがね。つまりだね君、可能性の一つとしてだが…」


少女はさっきからそればかり繰り返す。