運命を知らない占い師


「そんで、ここが占い師のいる宿さ」


将太の後ろをちょこちょこと優介が付いて行く。


「さっきまでこの部屋で、事情聴取を受けていたんだ」


将太が一つの襖をすっと開くと、


「あ…」


部屋真ん中であの占い師が正座していた。


「ど、どうも」


「…」


優介の挨拶に占い師は何も答えない。


ただ優介と将太に目を向けた。


優介は占い師をまじまじと見た。


ベールを外しているので顔が良く見える。