遡る事三十分前。 「楽しんでいるかい?門真君」 男の声がし、その方を振り向く。 「こ、これは新田さん。お久しぶりです」 そこには、所謂「お偉い人」である新田茂雄さんが立っていた。 「今日は、お父上はいないのかね?」 ワインを片手に聞いてくる。 「えぇ。実は、父がそろそろ僕を家の跡取りとして家を継がせたいと」 「おぉ!それは素晴らしい!ついに、君も私達の仲間入りという事か!」 大袈裟に両腕を広げる。