「呆れたものだ。油が無駄になるから早く寝なさい」


父はそれだけ言うと部屋へ戻っていった。


緊張した空気が溶けると、優介は薫子に声を掛けた。


「ほ~ら、怒られた。早く部屋に戻らないとまた怒られるよ」


「だってだって、優介さんが死んでしまうなんてお姉さん悲しくて」


「も、もしかしたら死なないかもしれないだろ?あの占い師が初めて外したのかもしれない。ね?だから心配しないで早くおやすみ」