「いやと言われてもなぁ。僕にはどうする事も出来ないし。僕だって死にたくないよ。けど仕方ないじゃないか。それと、怒られるから静かにしてね」 「何事だ」 薫子に注意した途端、父が姿を現した。 「と、父さん、」 「また薫子か」 呆れたように薫子を見る。 「今度は何事だ」 目で優介に答えを求める。 「じ、実は、こわい話をしたら泣いてしまって。すみません」 優介は父に嘘を付いた。