その日の高橋くんは
誰がみても、変だった。
いい笑顔だと思ったら
急に真っ青になったり。
困ったような顔をしたと思ったら
幸せそうな顔をしたり。
特になにかすることもなく、
ただ喋りながらのんびり家まで帰った。
「ここで大丈夫だよ」
最寄り駅の近く。
いつもは夕日が綺麗なのに
すっかり知らない駅になっていた。
「ごめんな、遅くなったな」
いつもより2時間も帰るのが遅くなってしまった。
ありがとう、とバイバイして
高橋くんとは解散した。
お母さんが心配してる。
お兄ちゃんもきっと怒ってる。
急ぎ足で家に帰った。
