帰る家が変わったのは、
昨日のこと。


「ありさ、今日一緒に帰ろ」


授業終了のチャイムが鳴ってすぐ
隣の席の高橋くんが話しかけてきた。


「高橋くんと一緒に?」


カバンに教科書を詰めながら
そんな話あったかな、と記憶を探す。


明るい茶髪をさらっと耳にかけて
高橋くんが答えた。


「いまきめた」


いつも髪で隠れてる星型のピアスが
きらきら笑った。


断る理由もなくて
首を縦にふるしかなかった。