『行ってきまーす』
あれからお父さんと朝食を食べながら他愛のない会話をしたあと、彼に見送られ家を出発した。
ガラッ………教室へ入り、次の授業の準備をし終わると、入学式の時に話しかけてくれた唯一の友達こと冴草あさひちゃん(あさちゃんて呼んでます)が私の目の前で立っていた。
「おはよー!まど~昨日は大丈夫だった?」…と焦りながら聞いてきた。
『うーん…多分大丈夫!』
「多分って、なによー(笑)」
あさちゃんは優しくて誰もが認めるような美人さんで私と違ってスタイル良いし、身長も高いし、お母さんに負けないの憧れを持つ人。
何より奥二重だけど目が大きい顔つきで、笑うと可愛いという言葉がふさわしい可愛い子です。
勿論彼氏はいて、その彼氏さんとはなんとここの高校の生徒会長なんです。
きっかけは同中で先輩の卒業式の時に玉砕覚悟で告白したらなんとOKだったらしいのです。
………なんて何気ない会話をしていると…………
「……そこ邪魔なんだけど。」
って言ってわざわざ私たちの間を通って自分の席へ向かう茶髪で片耳にピアスをしたチャラい男。
その男こそ昨日の件に関連していた男。名前は…………
『ちょっわざわざ私たちの間を通らなくてもいいでしょっ青草勇斗!』
「いや漢字2文字しかあってねーから。小鳥遊まどか。」
………と彼は呆れた表情で答えた。

