「その後有希子とどうなの?」
「は、?」
さも当たり前というように彼女の話題を持ち出すもんだから、手の中にあったマンガ雑誌が滑り落ちそうになった。
その後どうなの、って…
その後最悪、…みたいな?
「とぼけなくていいよ。有希子は友達って言ってたけどあれなんでしょ?2人で遊んでたんだから」
「とぼける、って…。…何も、ないですけど」
「またまたー!」
「いや、本当に…」
そんな俺の言葉に目の前の人は目を黒々させる。
何言ってんだコイツ、みたいな視線に、こっちが驚く。
俺はなに一つ、おかしいことは言ってないはずだ。
何も、ない。俺たちの間には。
何をそんなに驚く?
「…気付いてない訳?」
「は、?」
「え、まじで?」
会話が一向に成り立たない。
この人の言ってる意味が、分からない。
「後藤くん、有希子のガードの堅さ知らないの?」
「ガー、ド?」
「中学の時は有名だったんだけどなあ」


