ぼーっとしたまま地元の駅に降りたった。
さっきから自分の足元ばかりが目に映る。
あんなことを健人に思わせていたなんて、俺は本当に駄目なやつだ。
あの言葉は、相当俺の胸に突き刺さった。
そっか、そうなのか。
――壁を作ってるのは俺の方なのか。
そのまま自宅に帰る気にもなれず、近所のコンビニに足を向ける。
週刊マンガの新刊でも立ち読みしよう。
そんで、一応帰りにコーラでも買おう。(何も買わずに店を出るのはさすがに申し訳ない)
自動ドアをくぐると同時になんのメロディーだか分からない音楽が響いて、レジの中の店員さんの声がする。
俺は入口付近をすぐ右に折れ、雑誌コーナーへ向かう。
目当てのマンガは今日が発売日のせいか、最前列に山積みになっている。
その1番上に積まれている1冊に、俺は手を伸ばした。
「あれあれあれ?有希子の…」
その名前に、思わず心臓が跳ねた。
俺は全然、彼女を忘れてなんかないんだ。
名前を聞いただけでこんなに動揺する自分に少し笑える。
右側から、靴底の擦れる音がする。
俺は無意識的にそちらの方へ目を向けた。


