好きになんかなるもんか。

トボトボと藤原の後ろをついていく

しかも身長高いはずなのに
先々行かずに
私のペースに合わせてくれる藤原をちょっとだけドキドキした。

って、私ごときがこんな地味なやつに!

それより、どうして私の本性がお姫様キャラじゃないってこと、藤原にわかったんだろ。

なんて考え事してたらいつの間にか
村田さん家についていた

ピーンポーン
ってインターフォンを鳴らすけど
誰もいなくて
結局帰ることになった。

「じゃ、じゃあ、私家帰るね!」

ってくるりと方向転換したけど

「送っていくっていったでしょう」
と魔物の藤原ボイスで言ってきた

「わかった素直になるよ!
あ!り!が!と!う!」

って嫌味ったらしく言ったはずなのに

「はい。」

なんて笑うから

胸の奥がきゅんとしちゃって
自分の気持ち誤魔化すのに精一杯

「じゃあ行くよ!」
と言って帰ったのはいいものの、その日はそのまま私の家まで無言で帰った。