好きになんかなるもんか。

「突然だが、5月3日にあるオリエンテーションの話をする」

ふーん、オリエンテーション。
なにするんだろ

「みんなも知っているように、水院高校のモットーは男女も仲良く。」

うぇ、なにその小学生みたいなモットー。
嫌な予感しかしないんだけど…

「ということで、男女ペア4人作って
1日を過ごしてもらう。」

なーんて言いながら先生はオリエンテーションのしおりを配ってる

「先生ー!俺、陽利となりたいんだけどー」

そう言って勢いよく立ち上がったのは真村の彼氏、相沢速斗(あいざわはやと)

中学校から一緒で、こいつもなんだかんだの幼馴染
クラスのムードメーカーでムカつくやつ

「班はこっちで決めてある。デートじゃないんだぞー」

わははってクラスは笑ってるけど。
私は笑える状況じゃなく

「7班 藤堂実姫、藤原優真、村田玲子、望月梨来」

出席番号が近い私たちは好き嫌い関係なく同じ班になっちゃうわけで。

なんで神様は残酷なのだろうかと
肩をがくっと落とした。

その日はあっという間に過ぎていき
放課後

「ねぇ真村〜、帰りに駅前のスタバ行こう〜〜。話したいこといろいろある〜〜」

「あーいーよー」


なんで呑気な話をしてたら
「おーい、藤堂と、藤原ー!
先生が呼んでるぞ」

なんて声がしたのは空耳かしら?

「ねえ、今誰か藤原と私の名前呼ばなかった?空耳?」

「なに言ってるの。ちゃんと聞こえてるじゃない」

いってきなと手を振る真村。

もー!!!人の気も知らないで!
プンスカと席を立ってそそくさと職員室に。