優真side

村田の家に行った帰り。

「グーーッ」

とあいつの腹が鳴った。

俯いて恥ずかしそうにするあいつが面白くて可愛くて

つい爆笑してしまった。

いつのまにか俺はあいつに惹かれていた。

もう恋愛はしないと決めたのにーー。

そんな思考にふけっていると

あいつが帰ると言い出した

どうしたんだ…?
このカフェが嫌だったとか?

勢いよく飛び出したあいつを追いかけることはできなくて、

「なんでだよっ!」

理由もなく帰った藤堂にイライラする反面

「にゃーっ。」

俺の足に顔をスリスリしてくる猫を見て


「あいつにそっくりだなお前」

と猫に声をかけていたほど、俺の頭はあいつでいっぱいだった。