「ありがと。それでね、僕のお家はこの角を曲がった所だよ」


ハルの話を聞くと、わたしは食い気味で返事を返した。


「ええっ。ハルはこの辺に引っ越してきたの?
わたしのお家もこの辺なの!!」


だって、この曲がり角を曲がれば、わたしの家が見えるので、ちょうどわたしの家も紹介しようと思ってた所だったから。

ハルとの運命のような出逢いにわたしは胸を輝かせた。



「ミッカもそうなの? 嬉しい。どこのお家?」


ハルも嬉しそうに笑って、そう聞いたので、わたしは「ちょっと待ってね」と答えた後、曲がり角を急ぎ足で曲がって、


「この家だよ」


とハルに伝えた。

レンガ造りの家。わたしが3歳の時に、アパートから引っ越してきたのだ。…朧げだけど、この家が建てられているのを見た覚えがある。


「ハルはお家、どこにある?」


と聞いている途中に、ハルは「僕も!」と答えた。



「僕も、って。ハル、これはわたしの家だよ」


「あ、ううん。ごめん。そういう事じゃなくて、僕の家はこっちだよ」


と指を指したのは、わたしのお家と隣の真っ赤な屋根のオシャレな家。



「ーーええっ!?」