さ、寒い…。
ひどすぎる。
この寒さは、なんなの…。

肌を刺すような風吹く朝。

高校2年生の冬が12月が来た。

ふわぁぁあ…。
学校行かなきゃね…。

私は、佐々木 亜衣(ささき あい)
勉強も運動神経も普通で
どこにでもいる高校生。
そして、現在片思い中。

「お母さんいってきまーすっ」

「行ってらっしゃい〜。」

うぅ、外はもっと寒いなぁ…。
手袋とマフラー持ってくれば良かった。


家を出て右に進んで
真っ直ぐ行った先の信号。


あっ春馬だ。
マフラー、赤いのしてる。

「春馬!おはよーうっ!」

冷え切った右手で
春馬の左の頬を引っ張った。

「はよ…って、いてーよ!
冷たい手で触んな 」

これが私の11年間の片思い相手
幼馴染の矢倉 春馬(やぐら はるま)

バスケ部で勉強も出来ちゃって
かっこよくてモテモテ。

「新しいマフラー? 赤色とか珍しいー。
春馬なら緑とかのチェックかと思った」

春馬の好きな色なんて基礎の基礎。
緑が好きで小さい頃から
なんでも緑!って
言ってきたから知ってる。

「なんでもいいだろー
赤、好きだし」

そう言いながら少し顔を赤くした。
寒いからかな。

「ふーん、そうなんだ。
似合ってるじゃんー!」

そう言いながら
赤いマフラーを軽く引っ張った。

「やめろ!
買ったばっかなんだよ!」

「へいへい、しゅみませんねっ」

信号が青になって進んだ。