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唐突だけど。
月と太陽は一緒になれないらしい。





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「ねぇ、松田。
このコロッケかメンチカツか分からない揚げ物。何だと思う？」


「は？
呼び捨てすんなや。」





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でも、ある男は考えた。
大切なものを捨ててでも、月と太陽を一緒にさせようと。

重なる月食に待てない、その男は、何かを壊した。





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「眠てぇ。」


「髪、せっかくスタイリストさんにしてもらったのに……。ちょ、マジで寝んの！？」





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そう、壊したのは何気ない日常。
男はその日常を壊してまでも得たい、何かがあった。




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「STARRTSさん、スタンバイお願いしまーす。」





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その男の名前は、内田悠人。
俺自身、だったと。




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「スタンバるってよ。悠人。」
「ん？あぁ、行く。」

いつもスケジュールを把握してる、立花俊。
いつも何か食っては笑ってる、リーダーの小川ルイ。
いつも眠たげに楽屋はほぼ寝てる、湯川大地。
いつもスマホを漁ってる、松田慧。





そんないつものいつもがかけがえ無いくせに。
壊してしまう俺は、太陽みたいに燃える恋に溺れる。

そんな燃える恋を仕掛けた、静かな月のような人。
…まだ、そんな人と出会っていなかった、俺は普通の男だった。





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月と太陽は一緒になれないらしい…―――。





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月と太陽。

――― 月は太陽と一緒になれやしない。


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