「斗真、早く!寒い~!」
「だから、待ってろってば!」
待ってるよ、ちゃんと
斗真は今度はちゃんとマフラーを巻いて出てきた。
「ん。じゃ、帰ろ。」
そう言って笑った斗真はいつもの明るい斗真だった。
あれ?さっきはどうしたんだろ。
私は不思議に思って首を傾げた。
「どうしたんだよ、行くぞ。」
「うん。」
私達が歩き出すと隣をサッカー部の軍団が通って行った。
こんなに寒いのに、半ズボンにハイソックス
……ご苦労様です
「そういや斗真もサッカーしてたよね。」
「小学生の時だけな。お前、よく試合の応援とか来てくれたよな。」
「だって試合の後お菓子くれるんだもん。」
「……食い物目当てかよ。」
斗真は呆れた様な声で言いながらも笑ってた。
いつもの、斗真
「……俺は、嬉しかったぞ。」
「今でも行くと思うよ?あ、でも斗真に彼女とかできたらやめた方がいいのかなぁ。」
いくら幼なじみでも、自分以外の女子が彼氏に近づくのは嫌だよね
私なら、嫉妬しちゃうと思うから


