「え、いいのに!斗真なんて…「ごめん、ありがと結城。」」
はぁ!?
何がなんでも自分勝手すぎるでしょ!
そう思って斗真を見て、私はそれ以上怒る気にはなれなかった。
斗真の、顔が
あまりにも真剣すぎて
「おう、じゃあな。斗真、ちゃんと理央を送ってけよ?幼なじみなら家近いんだろ?」
「当たり前。」
結城君はちょっと笑うと「さむ~」って言いながら1人で帰ってしまった。
「ちょっと、待ってて。履き替えてくる。」
いつも、さっき皆で話してた時だって、斗真はいつでも明るくふざけて笑ってることが多いのに
今はなんか、とても真剣な顔
こんな顔は小学生の時にゲームに夢中になってた時以来かもしれない。
「待ってろよ、先帰るなよ?」
「分かった、分かったから。」
斗真はまだ疑ってるみたいで、じっと私を見てから校舎に入って行った。
…何か、悩みでもあるのかな?
私は斗真の背中を見て首を傾げた。
皆で話してるときも何度か目が合ったのにそっぽ向いたりして、今考えれば普通じゃなかったかもしれない。
でも斗真は私に相談してくれる様な気配はなくて、私はちょっと寂しい気待ちになった。


