そりゃ好きは好きだけど、それは家族みたいな関係として
由香里の言う「恋愛として」の好きではないの
私達が下駄箱の前で立ち止まった時、由香里が「あ!」って何かを思い出したみたいな声を出した。
「部活にちょっとだけ顔出さないといけないんだった!ごめん2人、先帰ってて。」
「あらら、もう暗いのに大変だね。」
まだ5時半なのに、真冬の今外は真っ暗
「1人で帰るとか危ないし待ってるよ?」
「いいよいいよ。部活の子達もいるし、こんな寒いなか待たせられないしね。」
由香里は「ありがと、バイバイ!」って言って手を振ってから走って行った。
「由香里もあー言ってるし、帰るか。」
結城君がそう言って、私も「そうだね~」って返して靴を履き替えた。
マフラーを巻き直して外に出ると強い風がふいて私達は思わず立ち止まった。
「さ、さむ…」
「うわぁ……さすが冬だ。」
それでもここから駅までは歩かないといけないわけだから、私達は意を決して歩き出した。
「……っ!理央!」
だけど、私は名前を呼ばれてすぐに立ち止まった。
私のちょっと前を歩いていた結城君も立ち止まって振り向いた。
そこには斗真がいた。


