「俺、覚えてないぐらい昔から理央のこと好きだったから。
結婚とかめっちゃ憧れてて……理央は、嫌?」
嫌なわけ、ない
幼なじみならありがちな「大きくなったら結婚しよ!」的な約束も、私達は経験してて
いつの間にか忘れちゃってたけど、昔はそうなることが当たり前だって思ってた。
「……大学行って卒業したら、考えたげる。」
素直に嬉しいって言えないのは、私の悪いとこ
「まじで!?」
それなのに、君がそんなに嬉しそうに笑うから
「キスするのはいいけど、初キスのことは忘れないで欲しい、かな。」
「当たり前だろ。」
その言葉1つ1つが嬉しい
それに、キスはいつまで経っても慣れないんだと思う。
また斗真が何気なく私にキスして、もう何度目かも分からないのに相変わらず私の心臓はおさまらない。
「まだ初めてのときみたいにドキドキする……」
私がそう言うと斗真は声をあげて笑った。
「じゃあ、これも初キスで。」
斗真は私のほっぺを両側から掴むと今度は深い深いキスをしてきた。
……確かに、これはある意味初めてかも
座ってるから良かったけど、これきっと立ってられない!
しばらくしてやっと顔が離れて、私は息が途切れながらも斗真の真似をした。
「うん。これも、初キスで。」
すると斗真が、本当に嬉しそうな顔で笑った。
〈fin〉


