そろそろ、苦しかったり……
でもそれは嬉しさでどうでもいいぐらいだった。
だけどここで素直になれないのが、私なんです
「彼女とか絶対作らないって言ってたじゃん。」
「あれは、理央が彼女できたら身を引くとかいうから。
彼女になって欲しいのは、理央なのに。」
「だって女子に名前で呼ばれてる。」
「はぁ?それはお前もだろ。俺、今仲いい連中で理央を苗字で呼んでるやつ知らないぞ!」
「だって葵ちゃんと2人、お似合いだし……」
ここまで言って私は急に恥ずかしくなって斗真の肩に額を押し付けた。
なんだ私、ずっと嫉妬してたんだ
「……なんなんだよ。結局俺のことどう思ってんだよ。
そのまま聞いてたらお前も俺のこと好きみたいに聞こえるだろ。」
「……その、通りだよ。」
斗真みたいにはっきり「好き」とは言えなかった。
口にして認めるには私は気づいたのが最近すぎた。
でも、斗真にはそれで十分だったみたいで
「え、嘘……は?まじかよ……」
自分から言ってきたくせに、斗真はより一層強く私を抱きしめてきた。
さすがに苦しくてもがいたらちょっと力を抜いてくれたけど、それでも離そうとはしなかった。


