じゃあ、初キスで


今までの私ならこんなこと絶対にありえなかった。



「何ふざけてるんだ」って言って、きっと殴り飛ばしてた。




だけど今はただひたすら心臓がうるさい。




それは斗真も一緒だった。




「理央、絶対逃げちまうから。だからこのまま聞いてよ。」







斗真の息が耳にあたって私の体が震えた。














「……好き。」










え……?





頭が真っ白になった。





「も、も一回。」




「あのなぁ。」




斗真が少し笑った。




「幼なじみとしてはもちろんだけど、男として女の子の理央が好き。」






「えええええ」




「……知らなかっただろ。そして気持ち悪いとか思ってんだろ。」




「はぁ?思ってないし!」




ここでちょっとは可愛いことが言えたら、私も苦労はしないんだろうけど




「……なんなの、それ。期待していいの?」




斗真がギュッて力をこめながら言った。