じゃあ、初キスで


付き合ってないって分かっても、モヤモヤは晴れないままで






告白されたのに断った?




急にキスされた?





それを聞いて安心してもいいはずなのに、まだ足りない




モヤモヤはいつまでたっても晴れたりしない




「こっち見ろよ、理央!」




「嫌!」




そう、言ったのに




肩を掴まれたと思ったら、次の瞬間には私は斗真に抱きしめられていた。





私のアイスは落ちてしまった。





斗真は力が強かった。




肩もがっしりしていて、抱きしめられて改めて「ああ、男の人なんだ」って思った。




私は力一杯胸を押してみたけど、そんなことで斗真はびくともしなかった。



逆に私を抱きしめる力がもっと強くなった。




「……抵抗すんなよ。傷つく。」




「いや、普通急に抱きしめられたら誰でも……!」




斗真の声が耳元で聞こえて私は急に顔が熱くなるのを感じた。