「ん、これ理央の。」
「え、私いらないのに。」
「いいから食えって。この近くに小さい時遊んだ公園あるよな。そこで食おうぜ。」
家も近いのに、斗真の考えてることはよく分からない。
そう思いながらも私は斗真の後について歩き出した。
家に帰って1人になったら、私は朝の考え事の続きをすることになる。
そうなったら必然的に斗真と葵ちゃんのキスを思い出さないといけなくなるから
それはやっぱり、私には辛かった。
少しでも逃げられるなら寒い公園でアイスを食べるなんて楽勝
私達が公園のベンチに座って顔をあげてももちろんそこには誰もいないわけで、ゆっくり食べてもアイスは全く溶けない。
「なんで私の好きなアイス知ってるの?小学生の時とは好み変わったのに。」
「よく家に行って冷凍庫物色したらいつも同じやつ入ってるからさ。それ好きなのかなと。」
よその冷凍庫漁るな
でも私も小さい時に斗真の家の冷蔵庫を漁った覚えがあるからお互い様だった。
「でさ、さっきの続き。
俺と行きにくいってなんでだよ。夏祭りとかは全然平気だったのに。」
そりゃあ、夏祭りの時はまだ斗真のこと好きだって自覚してなかったから
それに葵ちゃんが斗真を好きだろうことも、知らなかったから


