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斗真が怒ってる
拗ねたようにそっぽ向いて、絶対にこっちを見ない。
その前に何より、私は今の現状を理解できない。
なんで斗真と2人で帰ることになった?
集団賑やか初詣はすぐに終了して、私達は出店を一通り回った後近くの公園で鬼ごっこをした。
鬼ごっことか小学生以来で、ちょっと走っては息切れする自分達に「もうジジィとババァだ〜」とか言って笑い転げた。
その間もちろん楽しかったけど、私はどうしても集合前のことが忘れられなかった。
斗真と葵ちゃんはすぐに集合場所に来た。
2人別々で、その後特に話すわけでもなく
付き合ってるとしても隠したいってこともよくあるから、私はわざと触れないように話題に出さないように気をつけた。
なのになぜか今私は斗真と2人で帰ってる。
いやまぁ、家が同じ方向だから仕方ないんだけどさ
それでもこの気まずさはさすがに、ねぇ
朝中断した考え事をするつもりだったのに、もうちょっとの間だけ頭の奥に追いやる。
でもそれももう限界で、どうしても斗真を見ると葵ちゃんとキスしていたのを思い出してしまう。
思い出す度に泣きそうになって、私は自分の腕をつねって我慢する。
その繰り返し


