「え〜、斗真も全部とか言わないとよね?」




「言わない言わない。誰かさんと一緒にしないで。」




斗真はそう言ってニカッと笑った。




……失礼な




どうせ私は昔っから何もかも適当で大雑把ですよ〜だ




斗真は、いわゆる幼なじみ



隣ってわけではないけど家も本当にすぐ近く




近所はおじいちゃんおばあちゃんばっかりだったから、小さい頃から自然に仲良くなった。




幼稚園も、小学校も、中学校も、高校も一緒



クラスも2、3回しか離れたことがなくて、言い換えれば腐れ縁、みたいな?




「リア充は放っておいて、どっか遠出しようぜ!スキーとか!」




それを聞いてみんな「おお〜!」っと拍手した。




もう高2の冬、来年は受験生



今の内にすべれるだけすべっとこうって魂胆か



でもその時、1人が「でもさ」って言ってみんな静かになった。




「でもさ、斗真には理央がいるじゃん?」






「「は?」」






ちくしょう



斗真と声がぴったり合うなんて




「どゆこと?」




私が聞くと友達はニコッと笑った。