でもその時、葵が何かを見て驚いたみたいな表情になった。
俺も何かと思って葵の視線を追った。
そこには、理央がいた
もちろん1回家に帰ったようで、私服でコンビニの袋を持っている
理央はちょっと驚いたようだったけど、しばらくしてちょっと笑ってこっちに手を振った。
……なんだよ
ちょっとは、焦ったりさ
ヤキモチ……とか、焼いたりとかしないのかよ
俺は理央が結城と2人で帰るって分かった時あんなに必死に止めに入ったのに
理央は、俺が葵と2人でいても何も感じないのかよ
そこまで考えて俺は自分の自己中な考えにため息をついた。
理央にとって俺はただの幼なじみ
そんなこと、ずっと分かってた
俺が理央の身長を抜かしても、理央より喧嘩強くなっても
声変わりしても筋肉つけても、何したって俺を男として見てくれたことはない。
いつだって、家族の1人
「2人で、帰ってるんだ。」
理央は俺達の所まで来ると笑顔のままそう言った。
「……おう。」


