カシスオレンジ



(ああ、もう。うそでしょ)

なぜか、おいしく感じてしまって。
なぜか、この香りが心地良くて。

「おいしいでしょ?華さん」

いつの間にか目の前に座っていた光が、
頬杖をつきながらそう言う。

「…まあまあね」

私はドキドキする気持ちを抑えながら、
そう言ってもう一口飲んだ。

(カシオレも、年下も、悪くないかも。)

余裕の笑みを浮かべる光を見ながら、
私はグラスを空にした。


fin.