カシスオレンジ



クスン、と泣き真似をする三嶋には、
冷ややかな視線をプレゼント。
口ではきつく言っちゃうけど、
三嶋は本当にいいやつって思ってる。
互いの一番の理解者って言っても過言じゃない。
ただ、恋愛対象かって聞かれると、
やっぱり違う気がするんだよね。

「たぶん、一回のやつら、
 二人が付き合ってるって思ってる人多いですよ?」
「え」
「ほら、俺もそう思ってましたし」

な?と哲也が光に同意を求めると、

「…喉乾いた」

なんて、間抜けな答えが返ってきた。」