ただいまーと元気に言って家に入った。

「姉ちゃん、おかえり?元気だね。良いことでもあったの?」と聖は言ってきた。

「う~ん。まぁね。いい息抜きにはなったよ」と私はそれ以上のことを言うのを止めた。

けど…しつこく聞いてくる聖は私の部屋までついてきた。

言わざるえない空気を醸し出してくる。

私は覚悟を決めて口を開いた。

そして、彰とのことや、健斗くんへの想いをこと細かく伝えた。

少し引いているのがわかった。

気持ちはわからんでもないけど。

けど…「健斗本人にそれは伝えてあげな!喜ぶよ」と言ってきた。

けど…悪いでしょ?と私が言うと、

「飛んで来るよ。姉ちゃんが逢いたいって言ってるって伝えたら…」と聖は言うと、その場でいきなり、健斗くんに電話かけちゃった

そして、ホントにすぐに来てしまった。

私たちはしばらく無言。

「健斗、ゆっくりしていけよ」と聖は言い残して自分の部屋に戻って行った。

取り残された私と健斗くん

どーしていいのか正直わからない。

けど…緊張?良くわからないけど、ドキドキしている。

「とりあえず…私の部屋来る?」って私、いきなり何聞いてるんだろ…。

恥ずかしくなってうつ向いた。

なのに…健斗くんは、「行きたいです」って消え入りそうな小さな声で言った。

私は嬉しくなって、健斗くんを連れて私の部屋に連れて来た。

なのだけれども…どーしていいのかわからず固まってしまう。

健斗くんも動けずにいる。

しばらくして私は椅子に座って、健斗くんにも座るように勧めた。

しばらくして、私は昨日の話を始めた。

何となく言いにくくて、彰のことはふせて、咲斗さんとのことを思い出してたらふと、健斗くんの顔が浮かんで…

そんな話をしたら、嬉しそうに笑ってくれた。

だから私は口が滑ってしまった。

そして、彰のことを口にしてしまった。

そしたらいきなり、眉を吊り上げた健斗くんは、私の顎を持ち上げるといきなり、

キスをしてきた。

恋愛経験0と言う割には随分大胆なことをしてくれる。

しかも、呼吸が出来ないくらい、長い。

「…ふぅ…ん、んー」私は声にならない吐息だけが漏れる。

しばらくして、口を離した健斗くんはこんなことを言い出した。

「俺、初めて出逢ったあの日から、羅菜さんに一目惚れで、大好きなんです。日に日に想いは募ります。なので、あんまり妬かせないでください」って。

初めてちゃんと健斗くんの気持ちを聞いた。

けど…今はそれに答えてあげられない。

咲斗さんに申し訳なくて…。それに、いくら顔が似てるからってそう簡単に乗り換えるわけにはいかない。

乗り換えるんじゃない、私にとって健斗くんは咲斗さんの弟、大切な人でしかない。

そんな思いのまま、健斗くんと付き合うことにしたら、健斗くんにも失礼だと思う。

私は健斗くんにそう伝えた。

『待ちます、何年でも』と健斗くんは言ってくれるけど…どうなんだろう。

少し不安になった。