《聖?どした、ため息なんて吐いて》
「え?」
あたし、ため息なんて吐いてた!?
……だめだな。こんなこと考えちゃって。
しかも、柊の電話中に。
お互い少し無言でいる。
この静寂さは嫌いではない。逆に好き。
柊は元から口数が少ないんだ。
あたしと付き合う前も今も変わらない。
あ、強いて変わったと言えば。
あたしとだけは彼なりに多く喋ってくれる、ことかな。
思い切ってアタックしてよかったなって思うよ。ほんと。
《聖、なに笑ってんだよ》
「ん?思い出し笑い」
そこは素直に答える。
「柊に告白してよかったなぁって」
《なっ、》
言葉をつまらせた彼が今顔を赤くさせているのだろうと思うと嬉しくなって。
「好きだよ、柊」
そんなことを滑らせた。



