映画といっても、家にあるDVDね。
「この中から探していいよ」
そう言ってDVDが入っているケースを彼に差し出した。
しばらくして決められたDVDはアニメーション映画だった。
それでも恋愛要素も含まれてる映画だ。
あたしはソファに座って、彼がセットをしている姿を眺める。
難なくセットする彼に関心しつつ、動きが可愛く見えてしまって顔が緩んだ。
準備ができたことを確認した柊はすぐさまあたしの隣に座って、リモコンを操る。
「この映画でよかったの?」
「え、なんで?」
あたしは彼を見て、彼は画面を見ながら言った。
「いや、別に」
だってアニメーション映画って幼くない?クリスマスにはちょっと……。
「いいんだよ。この映画クリスマスぽかったから」
そうかなー?
ふとテーブルに置いてあるDVDケースを手に取った。
あらすじ的には、もちろんクリスマス要素はなかった。
ただ、真実の愛を見つけるストーリーで雪の降る季節のシーンがある映画だと感じとった。
「ほら、始まるぞっ」
弾ませた声があたしの肩を叩く。
手に持っていたケースを隣に置いた。
今年のクリスマスは映画鑑賞だけか、と残念な気持ちのままあたしは真っ黒な画面が色付いていくのを眺めた。



