「……いつまで笑ってんだよ」
「~~~っ、あと、もうちょいっ」
大きなため息を吐いた柊は、いい加減にしろ、とでも言うようにデコピンをしてきた。
痛かったけど、笑いのツボには勝らなくてあたしは呼吸を整えようとヒィヒィと声をあげる。
ようやく治まったのは柊があたしの親について聞いてきてから。
お母さんたちは毎年恒例のクリスマスデートをしに行ってるため、もうしばらくは帰ってこない。
帰ってくるとしたら、5時間後かな。
いま17時過ぎたところだから、まだまだ全然時間には余裕がある。
「そっか。じゃ、まだたくさん聖と居れるわけだ」
「っ……」
反則だよ。なんだよ、その笑顔は。
すごく嬉しそうな顔しちゃって。
あたしも嬉しいけど!
嬉しいけど、大丈夫かな?あたしの心臓。
実はもうずいぶん前からドキドキが止まっていない。
最初は熱のせいだと思ったけど、違って。
さっきのだって、ヤバかったんだからっ。
柊は平気そうな顔してたけど。……悔しすぎる。
「柊!」
「聖、映画みよ」
見事にかぶった。
といってもあたしの声が小さかったみたいで彼に首を傾げられた。
だから、柊の言葉を優先にさせた。
ほんとは、彼をドキドキさせたくてキスしようとしたんだけど。
ま、いっか!



