「んー、熱はないけど。多分おかしいとはおれも思ってる」
ふーん、思ってるんだ。
可愛すぎでしょ。
「それはね、聖のせいだと思うんだ」
「えっ、て、ひゃっ!?」
ウソ。これって。
あたし柊に押し倒されてる?
目を大きく開いて見下ろされてる彼を見た。
「な、にしてんのさ?!」
「何って、分かるでしょ?」
うわぁ、柊の目がギラギラしてるようにみえるんだけど。
どうしよ。心臓がやばい。
てか、もう顔見れないっ。
真上に、柊の。大好きな人の顔があるんだもん。
「しゅ、柊。どいて、くれます?」
なぜか敬語になってしまったあたしに、彼はフッと笑った。
こんの〜、楽しんでるなっ。絶対!
「どうしよっかなー」
ほら。楽しんでる。
この笑った顔ムカつくな。
「ほら、あたし病人じゃん?だから、」
「もう熱はないだろ?」
まー、そうだけど。
いやいや!そういう問題じゃないからっ。
どうすればどいてくれるのだろうか。
ハイスピードで思考を巡らせた。
じゃ、これならどうだっ!



