「わかったよ。……柊って意外と頑固なんだね」
「頑固で悪いかよ」
「……べっつにー」
まさかこんな一面があったなんて知らなかった。
……いつもそうやって、頑固さを出してくれればいいのにな。
そうしたらあたしの不安、解消するのに。少しだけど。
分かりにくいんだよ。柊の思ってることが。
あたしみたいに顔に出るタイプじゃないから、余計。
視線がいつの間にか毛布にいっていることに気付いて、もう一度柊を見上げた。
けど、上には柊の顔はなかった。
柊の顔はすぐ隣にあった。
そして、笑っている。湯気も見あたらない食器を持って。
「おれ、これやってみたかったんだ」
そう言うと、お粥をすくったスプーンがあたしの口元に近付いて来た。
ツンと唇にそれを当てられる。
あたしはただ柊とスプーンを交互にみた。
え。なに。えーと……これはどういうこと!?
て、さっきからそればっかしか言ってない気がするんだけど……。



